2008年1月に初めて歌ってみた動画を投稿してから15年が経過してしまいました。
歌ってみた活動を15年もやり続けている人は、プロの音楽活動者として生きていく決心をした方がほとんどで、私のようにのらりくらりと続けた人は珍しいほうだと思います。
5年前に活動10周年を迎えた頃は、まだまだ活動を続けられる気持ちでいたらしいのですが、現在は「いつ退場してもおかしくない」と思うような日々が続いています。20周年までやり続けるかもしれないし、明日突然いなくなってしまうかもしれない。移り変わりの激しいインターネットにおいて「変わらないこと」がいかに難しいかを、ひしひしと感じています。インターネットは若く元気で勢いのある人たちが犇めいており、私のような能天気な人間には居場所を確保する空間がなくなってきている、そういった危機感がそう感じさせているように思います。
インターネットはかつて「名もなき人々」による虚構を謳歌できる空間でしたが、結局は現実と地続きになりました。それは言われてみれば当たり前なことで、現実を生き抜かなければインターネットは持続できないからです。インターネットに生き残っている人たちのほとんどは、インターネットと現実とをきちんと接続させ、それらの両輪を回すことに長けているように思います。要は、人との繋がりです。
インターネットによるゆるい繋がりを強固にするには、同じ時を共にする現実が必要なのです。私はそれを怠ってきたので、きっとこんなことになっているのです。なぜ怠ったか?私は怠惰で、拘りが強く、なおかつ人と関わることに消極的だからです。(そしてこういうことを平気で綴るのでますます人を遠ざける)
持続可能なインターネット活動を計画していなかったツケを、払うべき時期が迫っています。
これほど需要を気にせず好きに活動しているにも関わらず、まだファンでいてくださる方、活動を追ってくださる方が一定数残っていることを大変ありがたく思っています。皆さんのおかげで15年目も生き残ることができました。
現実に居場所を見出だせず、インターネットからもはじき出されようとしている人間が果たしてどうなっていくのか、どうかその顛末を見届けてやってください。