VOCALOIDオリジナル曲の匿名投稿イベント『無色透名祭』の所感です。
まず率直に言って、めっちゃ楽しかった!!!!!!
始まる前はたくさんの音楽を短期間に一気に聴くことで食傷を起こすのではないか、という不安があり、実際に投稿された楽曲のうちの10分の1くらいしか再生できなかったのですが、それでも感動したり、感嘆したり、爆笑したりする曲に多く出会うことができました。イベント企画の皆さん、制作者の皆さんお疲れ様でした。
再生数の多かった楽曲の制作者さんがことごとく名前もご存知なかった方ばかりで驚愕でした。世の中すごい曲つくる人居すぎでは………
逆にコメントで有名なボカロPさんが挙げられていたもののことごとく外れたというわけで、聴覚の当てにならなさが浮き彫りになりましたね。
ここ数年のボカロシーンに詳しくなくあまり偉そうなことは言えないのですが、再生数が伸びる曲の傾向というのはだいたい決まりきったイメージがありました。しかし今回の企画に限っては、再生数の高い曲を上から再生しても「あーまたこんな感じの曲ね」みたいな冷めた感覚になることがなかったです。この感覚は2009~10年くらいの、まだSNSが未発達だった時代のボカロシーンを彷彿とさせられました。
これは制作者自身が宣伝できないので、再生を伸ばす力点がリスナー、しかもあえてニコニコ動画でボカロ曲を聴くような情報感度の高い人達のほうに寄った結果、各々の琴線に触れた曲がピックアップされ、再生される曲のジャンルがバラけたのではないかと推測します。ポエトリーリーディングがこんなに着目されたこととかないんじゃないの?
イベント後半にかけて再生数の増加が著しかった楽曲『ポストずんだロックなのだ』
当然、再生数は曲のクオリティーに比例しないので「なんでこの曲伸びねえんだよ」と思うような曲もたくさんありました。一部タイトル釣り、サムネ釣りを図ったような曲もありましたが、ほとんどはマーケティング要素ゼロの横一線からのスタートであり、伸びるかどうかは運によるところも多々あったと思います。
楽曲の傾向について。やはり今どきらしい前奏なし、サビ等のキャッチーなメロのボーカルから入り、2~3分で終わる曲が多かったです。私自身Spotifyのランダム再生をやる時のように(やったことないけど)2~30秒聴いてワンコーラスなりフルコーラスなり聴くかどうかを判断してたので、この企画において最初の掴みが大事になってくるのは確かだろうなあと。
また、あまり馴染みのない、小難しい用語を使った歌詞の曲が多いように感じました。まあ実際それなりの頭の良さがないと作曲ってできないんでしょうけど、近年ひしひしと感じているクリエイターの高学歴化もあるんじゃないんかなあと思ってしまいます。
たまに若い人の語彙力低下を指摘するWebニュースを見るのだけれど、語彙力を増やす機会のある人とそうでない人の二極化が起きているだけなのでは?
つらつらと書いたものの、『無色透名祭』はリスナー専の私からしても楽しかったの一言に尽きます。
ぜひ二回目も開催してほしいです。次開催されたら5000曲エントリーとかなりそうだけど……