「工事現場の女」と過去を引きずる男

工事現場の女

小林オニキスさんが”クソ久しぶり”にボカロオリジナル曲を公開した。

クソ久しぶりに曲なんぞ作って公開してみました。

初音ミクオリジナル曲 工事現場の女 / 小林オニキス

“クソ久しぶり”とは、前作「プレパラートデイズ」から約3年ぶりという意味である。もし6年ぶりだったら”クソクソ久しぶり”だったんだろうか。

歌詞や曲の聴きどころはオニキスさんのHPに書かれてあるので、そちらを参照されたほうがいいと思う。
ただ、変わらない軽快な文調の中ラストに切迫した思いが綴られていたので、もしやサスペンス劇場のように突如事件に巻き込まれるのではないか……と不安を掻き立てられるような、そんな気持ちがよぎった。

オニキスさんが語っていないことで特筆すべきなのは、イラストに初音ミクが描かれていることだ。
動画内に歌っているキャラクターが登場するのは近年のボカロ曲では珍しいほうであり、オニキスさん制作の動画に関して言えば「さよならアストロノーツ」以来、11年ぶりということになる。クソクソクソ以上の久しぶりだ。 ※

もし「工事現場の女」を初音ミクとするなら、”消し去ってしまいたいような出来事”も、”大切な記憶”も、”新しい未来”も、空耳に聞こえる何かも、すべてが深い深い意味を持つのではないだろうか。
マジカルミライに足繁く通うようなVOCALOIDファンであれば、きっと考察のしがいのある曲だろう。何せオニキスさんはその関係者と言っても過言ではない人なのだから。

■過去を引きずって、生きていく

現実世界、過去に引きずられ過ぎないほうが上手くいくようにできていると思う。終始言動の一貫した人間というのは確かに清貧で、好きな人は好きなのかもしれないが、そこまで誰かを注意深く見てくれる人なんて稀の稀で、結局は二枚舌を使ってでも成果を出した者こそが多くの支持を得られるのだ。
それに過去は陳腐化するもので、いくらでも捏造できてしまう。過去の理由なんて後からでも都合のいいものを付け足しときゃいい。そんなこと自分は考えてない、という人もいるかもしれないが、少なくとも脳はそう考えている。(選択盲というらしい)
真に一貫性のある人間なんか、いやしない。バラバラリリックでも説いてたなコレ。

……とかなんとか思いつつも、未だ自分のやり方が「ポリシー」だと思ってしまっているので始末に負えない。死体は転がっているが、埋められない。これも必要な糧と信じ、積み上がるばかりだった。

もうええわ。ありがとうございました。

※正確には「コンビニとあなたの相似性に関するアレコレ」以来だが、公式イラストが貼り付けられただけの動画なので個人的心情として除外した。クソクソクソ以上~のくだりをやりたかっただけとも言う。