歌の活動を始めて丸13年が経過した。
活動10周年以降、このサイトで毎年のようになんとか周年記念の記事を投稿している。私はよほどこの1月16日という日に特別な感情を抱いているらしい。
活動して数年ならともかく、10年以上も経過していながらなお、初めて動画投稿した日付に執着し続けるのはおかしいのかもしれない。だが、私はこの日を忘れることができない。第二の生誕日だと思っているまである。
歌ってみた動画を初めて投稿したときのあの気持ちは今でも思い出せる。ロクにミキシングもされていない、聴き返すのも恥ずかしい歌声を投稿し、しかもそれを誰かが再生しているという事実に身の震えが止まらなかった。コメントの数が増えたことを確認する度に吐きそうになっていた。
この動画で「男だけどうまい」という趣旨のコメントを貰った。男だけど。このコメントが「絶対に男という下駄を脱ぎ捨てて上手いと思わせてやる」という決意を固めさせたきっかけだったかもしれない。
こうしてメスの声を出し続けて十数年、おかげさまで多くの人たちを欺き、困惑させてきてしまった。申し訳ないとは思うが、反省はしていない。
歌声にバイアスをかけたくない故に表立って性別を主張しないようにしているが、そのためのキャラ作りなんて面倒なのでひた隠しにする気はないし、男だと知られた時に豆鉄砲を食らったような反応をされるのが面白いので、今後も性別を知りたい人だけが知れば良いと思っている。私にとって女性的な歌声はアプローチの一つであって、それが全てではないし。
ただバーチャル美少女に輪廻転生したら果たして人気になれるのか、見てみたい気もする。気もするだけ。
歳を重ね、目新しい活動をすることが年々困難になっている。それでも何かやると、少なくない人たちからの反応がある。ありがたいことだ。今年も何かしらインターネットの片隅に爪痕を残せたらと思っている。
よろしくお願いいたします。