2nd Album 『陰り』


4年ぶりの自主制作CD、7年ぶりのフルアルバムとなりました。

『実り』のセルフライナーノーツに「CDを制作する意味を見出せた」と書いてあったのですが、ここ数年でそれを見失ってしまったようで、年数回カバー動画を投稿するのが精一杯の状況が続いていました。
そのまま2023年に活動15周年を迎え、再びCDを制作するならこのタイミングだろうなあと思いながらも時間ばかりが経過していく中で、転機があったのはその年の6月のことでした。
私にもお知り合いのアーティストさんというものがいらっしゃいまして、その方のライブを観に行かせていただいた後、軽くご挨拶をさせていただく機会がありました。その際に「またCD作ってくださいね」と言われてしまったんです。
まあ、貴方様ほどの方がそう仰るのであれば……と心の動く音がしました。それが制作開始への最後の一押しになりました。


大きなテーマとして「『実り』の頃から変わってしまった自分」というのがありました。まあ『実り』から7年も経つわけなのでそりゃそのままの自分ではいられないですよね。じゃあ何が変わったかというと「身体がしんどい日が増えてきたな…」とか「インターネットが楽しくなくなってきたな…」とかネガティブな変化しか浮かばず、そのまま『陰り』という言葉にひっくるめました。

コンセプトを考える中で浮かんできた感情を「陰りメモ」として自分の中でまとめたのがあの文章です。関係者の方にも見せてないので初公開ですね。ちょっと恥ずかしい……
書き下ろし楽曲の制作の際は、これを要約した内容を作家さんにお伝えしていました。


歌の活動は向いてないなあと思いながらも十数年続けてこれたのですが、ひとえに「そこに価値を追い求めなかったから」に尽きると思います。普通逆じゃないか?と思われるかもしれないですが、独りよがりだったからこそ活動に対して適切なコスト配分ができていたのだと思います。

ところがインターネット活動者は飽和状態で、活動の量・質ともに高くないと視聴者がついてこなくなっています。私自身マイペースにやるにしてもせめて出来の良いものを作っていきたい、と思うようになりました。そうすると一つ一つの制作に時間がかかってしまうのですが、時間をかけたところで新規の視聴者さんが根付くわけでもなく、再生数等が期待を超えるわけでもなく、だんだん動画作りが億劫になる……という悪循環に陥ってしまっていました。そもそも多くの人に受け入れられる作品にするなら、私のようなアクの強い人間がわざわざ前面に出てきてボーカルをやるべきではないのは自明なのです。

そうやって活動のハードルが上がっていくと同時に加齢というデバフが日々積み重なり、年々モチベーションが低下していき……と、インターネット活動者が蒸発する典型みたいなことになっていました。これで実社会での生活が充実していればそれでもいいんでしょうけど、そうではないので、まあちょっとどうしたもんかなあという気持ちです。ただでさえインターネット、というかオープンコミュニティが見限られている感じありますしね。


そんな感じで、ひたすらにここ数年の自分がどうだったのかを振り返った、終始内省的なアルバムになってしまいました。全体的に仄暗く鬱屈さが滲み出ていて、あまり万人にお勧めできる作品ではないのかもしれません。その分「刺さる人には刺さる」のかもしれませんが。

リリースが終わり一息ついた今、とても晴れ晴れとした気持ちになっています。次の制作のことはまだ何も考えていないのですが、もし作るとしたら、もっと軽いテーマで近しい皆さんに楽しんでもらえるようなものにしたいな、と漠然と思っています。

(2024.12.8)